【熊本城下町散策シリーズ～古町エリア編⑤】加藤清正公が築いた西唐人町・中唐人町をぶらりと散策してみた！

熊本市の有名観光地の一つ「熊本城」。

熊本城を築城した加藤清正公は現在の熊本の基盤を造り、熊本の人からは「せいしょこさん」の呼び名で親しまれています。

その加藤清正公が熊本城築城とともに行ったのが城下町の整備でした。

この城下町は現在、どのような姿になっているのでしょうか。

そんな城下町を巡る「熊本城下町散策シリーズ」。

第五回目となる今回は、加藤清正公によって築かれた城下町「古町」エリアの一角、西唐人町、中唐人町を訪ねてみました。

碁盤目状の町割りと寺院が織りなす独特の景観で知られる古町エリア。

その中で西唐人町、中唐人町を散策しながら、その歴史と現在の姿をご案内します！

加藤清正公が築いた城下町と古町について

熊本城の築城と共に整備された城下町です。

加藤清正公は1601年から熊本城の改築に着手し、城下町の整備も進めました。

その際、「新町」と「古町」、2つの城下町を造りました。

新町は熊本城の正面にあたり、5つの城門に囲まれた城内町で、短冊形の町割の中に御家中の武家屋敷と町人町が混在していました。

古町は熊本城の南側に位置する由緒ある地域で、火事による延焼防止および有事の際の軍事拠点として碁盤目状の中心に寺を配した「一町一寺（いっちょういちじ）」の町割の中に、坪井川の荷揚げ場を有する問屋が軒を連ね、物流の拠点として発展しました。

一町一寺の町割について

古町エリアの特徴的な都市計画として「一町一寺」が挙げられます。

これは一つの町内に必ず一つのお寺を配置するという、加藤清正公の独特な考えに基づいた町づくりです。

この制度により、お寺は地域コミュニティの中心として機能し、防災や教育の役割も担っていました。

西唐人町、中唐人町について

今回散策した西唐人町、中唐人町は、細工町一丁目と米屋町一丁目の間にある町です。面積としてはそれほど広くありません。

町の名前は、このエリアに唐人（中国人）が住んだことに由来しているそうです。

歴史的な建物が多く残るエリアです。

マップ

西唐人町はこのエリアになります。

中唐人町はこのエリアになります。

いざ、西唐人町、中唐人町を散策！

今回は細工町一丁目に続く、西唐人町からスタート。

ここからは、現在の町並みなどを紹介します。

細工町一丁目側から西唐人町方面を眺めた風景。

西唐人町から中唐人町までまっすぐ道が続きます。

このエリアは歴史のある建物が多く現存しており、レトロな雰囲気が感じられます。

西唐人町に入ってすぐ右手に見えてくるのが『清水本店』です。江戸時代中期に創業された、日用雑貨を販売している商店でした。

2016年の熊本地震で建物は大きな被害に遭いましたが、ボランティア団体の協力により、現在の形に復旧しています。

商店としては営業されていませんが、江戸時代の雰囲気を残しています。

『清水本店』のお隣にあるのが、『谷口商店』です。こちらは元電器屋だったそうです。

ただ、現在は営業しておらず、建物はそのままに、正面の部分をディスプレイとして活用されています。

レトロな雰囲気がありつつも、おしゃれさも感じます。

道をはさんで斜め向かい側に見えてくるのが、レンガの壁が印象的な『西村家住宅店舗』。この建物は、国登録有形文化財となっています。

横から見ると、レンガの壁がそびえ立っているのが分かります。

取材時にはシャッターが閉まっており、お店としては営業していませんでしたが、2025年6月に菊陽町にある『うまかもん食堂』がオープンするそうです。

さらに、中唐人町の端には『旧第一銀行熊本支店』があります。こちらの建物も、国登録有形文化財となっています。

こちらの建物は、現在、空調機器の専門メーカー・ピーエス工業株式会社の「ピーエスオランジュリ」オフィスビルとして活用されています。

この他にも歴史的な建物を活かした飲食店が並びます。こちらは、このあとのお店コーナーで紹介します。

歴史的な建物が多く並び、レトロな雰囲気を感じながら散策できる楽しいエリアでした。

西唐人町、中唐人町にある「一町一寺」のお寺

記事の最初に、一町一寺の紹介をしましたが、今回散策したエリアには西唐人町に一つお寺があります。

「心光寺（しんこうじ／浄土宗）」というお寺です。

心光寺

先ほど紹介した清水本店と谷口商店の間の道を入っていったところにあるお寺です。

一町一寺のお寺には案内板が設置されています。

案内板によると、心光寺は浄土宗心光寺といい、本願念佛の実践道場として慶長十年（1605）に建立されたそうです。

明治十年（1877）の西南の役の際に堂宇（どうう／四方に張り出した屋根をもつ建物）が消失しましたが、明治二十四年（1891）に本堂が再建され、今に至っています。

マップ

住所：熊本市中央区西唐人町35

西唐人町、中唐人町にあるお店など

今回散策した西唐人町、中唐人町にある飲食店などを紹介します。

レトロな建物を活かしたお店ばかりです。

珈琲回廊（こーひーかいろう）

西唐人町に入ってすぐのところに見えてくる珈琲豆屋＆カフェです。

築120年の町屋をリノベーションしています。店内では、コーヒー豆が桶に入れられて販売されています。

昔は、荒物屋や削り節の店として使われていたそうで、その雰囲気も感じますね。

開放感あふれるカフェでは、外の景色を眺めながらコーヒーをいただけます。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩5分

TRUSS GENERAL STORE

珈琲回廊のお隣にあるお店。

おしゃれで洗練された洋服、雑貨を販売する衣料品店です。

歴史的な建物が多く立ち並ぶ中、こういった西洋の雰囲気もいいですね。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩5分

唐人町のケーキ屋さん マムール

中唐人町に入ってすぐのところにあるケーキ屋さん。

小さな店舗ですが、人気のロールケーキを始め、いろんなケーキが販売されています。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩3分

オーガニックコットン プリスティン 熊本店

唐人町のケーキ屋さんを東方面に少し歩いたところに、レトロな建物のお店が3軒続きます。

一番最初に見えてくるのが、こちらのお店。

オーガニックコットンを使った衣類などを販売しています。

一見、衣料品店には見えないですが、店内には素敵な衣類が展示されています。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩3分

ルーツ ピュアリィ

『オーガニックコットン プリスティン』のお隣にあるショップ。

オーガニック食品や雑貨を販売する店舗、オーガニックレストラン、スイーツ製造・販売を手掛ける店舗が入るショッピングモールです。

明治初期の古民家を活かした、未来へのライフスタイルを提案しています。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩3分

塩胡椒

『ルーツ ピュアリィ』のお隣にあるお店。

歴史を感じる建物の中にあるのは、フレンチレストランです。レトロな雰囲気の中、食事ができます。

比較的リーズナブルな値段でフランス料理をいただけるお店です。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩3分

白兎のねどこ

『塩胡椒』のちょうど真向かいにあるお店。

酵素浴とラドン浴の両方を体験できます。こういった形態は全国初だそうです。

完全予約制なので、気になる方はInstagramのDMで問い合わせてみてください。

店舗情報

マップ／アクセス

熊本市電A系統 ／ 呉服町電停より徒歩3分

西唐人町、中唐人町散策 ～ まとめ

今回は、加藤清正公が築いた城下町「古町エリア」の中から西唐人町、中唐人町を散策しました。

加藤清正公が活躍した江戸時代から存在するお店もあり、歴史的な建物も多く、レトロな雰囲気を感じながら楽しく散策できました。

熊本地震では大きな被害がありましたが、ボランティアの方々のご協力もあり、今の形が残されています。こういった建物は今後も残してほしいものです。

町名にある唐人らしいものはありませんでしたが、城下町の雰囲気を感じるエリアでした。

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