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第一があるならなら第二、第三もある?
熊本市内中心部を走る「第一環状線」というバスを見たことはありませんか?熊本駅から産業道路を経由して大学病院、子飼橋から京町台地を超えて上熊本駅を結んでいます。第一高校前を経由するわけでもありません。
第一というとてもシンプルなネーミングですが、何が「第一」なのでしょうか。第一、第二、第三というようにいくつかの環状線に番号が振ってあるのでしょうか。
やはり昔は「第二環状線」もあった
実は第二環状線という市営バスの路線が1951年から1992年3月まで41年間存在していたのです。交通センターを出て、水道町から浄行寺を経由して子飼橋を渡り、水前寺駅の近くを通ってから八王寺通りを通って南熊本駅へ。そこから北上して銀座橋を渡って銀座通り経由で交通センターに戻るルートでした(当然反対回りもありました)。
第二環状線が名前を消した当時のことが、熊本日日新聞に掲載されていました。
第二環状線は内回り、外回り合わせて一日三十五本を運行しているが、路線距離が約十三キロと長いことと、混雑する都心部を走りダイヤが乱れることなどから乗客が減少。平成二年度からは約百円の収益を上げるのに百三十五円の経費がかかる赤字路線になったことから再編する。(1992年3月25日付 熊本日日新聞)
なんと、距離が長すぎてダイヤが乱れ乗客が減ったということです。再編の結果、環状線の北側が子飼渡瀬線に、南側が八王寺環状線に分割されました。現在は環状線は1時間に1本程度の運行状況です。
2019年9月、交通センターは桜町バスターミナルに生まれ変わりました。9月14日は、熊本県内の市電やバスのほぼ全路線が無料になるという、太っ腹な試みがありました。当日、桜町の商業施設を見にいったものの、あまりの人間の多さに圧倒され、買い物や飲食は諦めました。熊日の報道によると、25万人もの人が訪れたそうです。
せっかく無料でバスに乗れるので、桜町からどこに行こうかと考えました。しかし、遠くに行ってしまうと戻ってくるのも大変です。「桜町を通る八王子環状線に乗れば良いではないか!」と思いつきました。
無料だからか、満席に近い状況で桜町を出発。ほぼ1時間をかけて、熊本市中心部の南側を回りました。到着したときには、桜町バスターミナル行きになっていました。どこかのタイミングで行き先表示を変更しているのでしょうか。桜町では終点扱いで、いったん全員が下車、そのまま2周目には入れませんでした。
したがって、桜町の手前から、桜町を超えてその先まで乗るということはできなようです。(全てのバスを調べた訳ではないので、環状運行しているバスがあるのかもしれませんが)
空気を運ぶ「中央環状線」
第三環状線はないのですが、現在も「中央環状線」という路線があります。熊本駅や南熊本駅、県立劇場、子飼橋などを経由し、主に産業道路と白山通りを循環するルートです。
かつては、交通センターを経由し水道町から子飼橋に回っていました。おそらく、第二環状線と同じような理由でルートが短縮化されたものと思われます。
たまに白山通りを走っている中央環状線のバスを見かけるのですが、乗客が乗っているのをほとんどみたことがありません。日祝ダイヤでは4本しか運行しておらず、さびしい状況です。
時刻表を見る限りでは、午前と午後に1セットずつ、熊本駅を出たバスがルートを3周するダイヤのようです。
路線再編される前の運行状況は、おおざっぱに「熊本市中心の中央環状線」、「西寄りの第一環状線」、「南寄りの第二環状線」という感じだったようです。
現在、熊本市営バスの路線は、すべて都市バスなど民間会社に路線が譲渡されています。
かつて「県庁環状線」という路線も
記念誌「熊本市営バス88年のあゆみ」によると、1967年3月から、県庁環状線が運行を開始しています。運行区間は、「県庁前~桜町~上熊本駅前~県庁前」となっています。
現在は、上熊本駅前から県会議事堂行きの路線に名残りが残っているようです。
また、1927年の市営バス運行開始時に「味噌天神環状線」、1959年から1961年の間「東部環状線」、2005年6月から2007年6月まで「通町環状線」という路線が存在していたようです。調べたのですが、どのようなルートだったかは分かりませんでした。
ルートは「環状」だけど
桜町バスターミナル開業日に八王子環状線を1周して思ったことです。熊本市内のバス環状線は、最も本数が多い「第一環状線」ですら、1時間に2~4本程度しか走っていません。同じバスが周回ルートをグルグル回る山手線のような運行ではないのです。
まとめ
「第一環状線がなぜ第一なのか?」という問いの答えは、最初は「第一」と「第二」があって、「第二」がなくなったのに名前がそのままになっているからでした。いまさら変更しても混乱を招くので、そのままになっているのでしょうか。
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