2018年春、JR九州の運行本数が大幅減便

JR九州が今年春から、過去最大規模で鉄道の運行本数を大幅に削減すると発表しました。大牟田・荒尾地区では住民から影響を心配する声も上がっています。

鹿児島線の大牟田-荒尾、46本大幅削減 JR九州(熊本日日新聞)

JR九州は来春、鉄道の運行本数を大幅に削減する。実質的な赤字が続く鉄道事業の合理化策で、減少規模は過去最大。熊本県内では、福岡との県境をまたぐ鹿児島線の大牟田-荒尾で46本が削減され、博多-長洲の特急「有明」の5本が全廃されるなど、荒尾・玉名地域を中心に住民生活への影響が懸念される。

鹿児島線の特急「有明」が片道1本だけに

この改正で、特急「有明」は、平日の大牟田から博多までの上り1本だけになってしまいます。「有明」は最盛期には、熊本と博多の間で1日25往復ほどしていました。九州新幹線が全線開通した時点で、予想はできたことですが、寂しいものです。

特に、博多駅を0時すぎに発車する有明は、福岡市内で飲み会があった後などに熊本まで帰ってくるのに重宝していました(現在は長洲行き)。現在の運行状況は上り2本、下り3本です。

上り 下り
長洲 6:32 → 博多 7:37 (有明2号) 博多 18:37 → 長洲 19:45 (有明1号)
長洲 7:11 → 吉塚 8:35 (有明4号) 博多 20:17 → 長洲 21:23 (有明3号)
博多   0:15 → 長洲  1 :20 (有明5号)

これが、2018年3月17日以降は1日1本の

大牟田 6:43 → 博多 7:37 (平日のみ

というとても寂しい状況です。ダイヤ改正初日が土曜日ということで、実際に最初の便が走るのは19日(月)からになります。

快速列車には行列、しかし有明は閑散と…

そこで、有明が大幅減便になる前に、乗っておくことにしました。ちょうど福岡に行く用事ができたので、帰りを新幹線ではなくあえて「有明」にしたのです。

博多駅の掲示板に表示される、有明3号です。前後の普通列車や快速列車に埋もれるように、赤い特急の文字が目立っています。

電光掲示板発車前のホームは、行列ができていたので、「意外と利用者がいるな」と思っていたら、実は有明の6分後に発車する快速列車を待つ人たちでした。6分後の快速で荒尾まで行っても、乗車時間は15分程度長くなるだけなので、特急料金を払ってまで有明に乗る人は少ないのでしょう。

発車前の博多駅

到着した車両は懐かしの「ハイパーサルーン」。以前はよく熊本駅にも来ていました。長洲行きの行き先表示もお別れです。

行き先表示ホームにはたくさんの人がいるというのに、車内はがらんとしていました。帰省ラッシュの2017年末に乗車したので、念のため指定席を予約したのですが、必要ありませんでした。

車内終点の長洲駅で降りた人は7人

博多駅から特急で鹿児島線を走るのは久しぶりです。新幹線に乗りなれていると、やはり遅く感じます。多くの乗客は鳥栖や久留米で降りたようでした。

長洲駅終点の長洲駅で降りたのは自分を入れて7人でした。長洲駅の回りは真っ暗で、これが最終の1時20分だったら、もっと寂しい雰囲気なのかと想像されます。

回送前九州の自治体がJRに異例の申し入れ

JR九州が大幅減便を発表した後、九州各県の自治体がJRに反対を申し入れました。いまは民間企業になっているので、採算を度外視して一度発表した方針を大きく変更する可能性は低そうです。

JR九州に緊急要望書を手渡す九州7県の幹部職員ら

JR九州に緊急要望書を手渡す九州7県の幹部職員ら=26日、福岡市

「大幅減便 見直しを」 九州の知事らでつくる鉄道整備促進協(大分合同新聞)

JR九州が経営強化を理由に来年3月のダイヤ改正で大幅な減便を計画していることを受け、九州・沖縄の8県知事らでつくる九州地域鉄道整備促進協議会(会長=小川洋・福岡県知事)は26日、地方創生に大きな逆風になるとして同社に再考を訴えた。協議会がダイヤ改正に「待った」をかけるのは異例。JR側は理解を求め、年明けにも各地に出向いて説明する方針を示した。

東洋経済でも、このテーマが取り扱われていました。

JR九州「春の大規模減便」は本当に深刻なのか ローカル線本数減で「日常の足」不便になる?

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JR九州の青柳社長がダイヤ改正の一部見直しを発表したものの…

なんと、JR九州が一度発表した減便計画を見直すと発表しました。「利用実態似合っていなかった。ミスがあった」と青柳社長が発言していることから、見積もりが甘かった点があったのかもしれません。どのあたりが修正されるのでしょうか。

JR九州、運行削減見直し 青柳社長「ミスあった」(熊本日日新聞)

JR九州の青柳俊彦社長は26日、過去最大規模の運行本数の削減を予定している3月17日のダイヤ改正を一部見直す方針を明らかにした。鉄道事業の合理化を目指しているが、沿線自治体から「利便性が低下する」と反発が相次いだことを受け、削減規模を縮小する。

しかし、その後やっぱり見直しは難しいと発表が出ました。ほんの少しだけ修正があるようですが。青柳社長が「ミスがあった」と発言した部分でしょうか。

JR九州、減便維持で最終調整 鉄道合理化へ、一部は修正対応(共同通信)

JR九州が鉄道事業の合理化に向け、九州新幹線を含む全22路線で運行本数を減らすことを盛り込んだ3月のダイヤ改正に関し、削減本数の規模を見直さない方向で最終調整していることが10日、分かった。現行計画での1日当たり117本の減便規模が維持される見通し。宮崎、鹿児島両県を結ぶ吉都線で平日の最終便の運行時間を修正するなど、一部は見直しに対応する。来週にも決定し、公表する。

宮崎、鹿児島両県を結ぶ吉都線で平日の最終便の運行時間を修正するなど、一部は見直しに対応するそうですが、合理化は避けて通れないというのが、JR九州のスタンスのようです。

JR九州、合理化優先の姿勢鮮明 鉄道、117本の減便を維持(共同通信)

JR九州が、九州新幹線を含む全22路線での運行本数削減を盛り込んだ3月のダイヤ改正に関し、当初計画からの見直しは微修正にとどめ、事実上117本の減便を維持することが14日、分かった。大幅減便には自治体から反発が相次いだが、鉄道事業の収益力強化に向け合理化を優先する姿勢を鮮明にする。16日に発表する。

2018年春のJR九州ダイヤ改正を正式発表 熊本県内の在来線は18本削減

地元のメンツで最後まで残った急行「つやま」

若い方は知らない人もいるかもしれませんが、かつての国鉄(現JR)は急行列車が全盛でした。特別な急行列車が「特急」だったのです。しかし、ほとんどの急行列車が特急列車に格上げになり、特急列車は特別ではなくなっていきました。急行列車の方が数えるほどに減っていったのです。

そんな中、最後まで残った昼間に走る急行列車が「つやま」でした。この急行列車が残ったのには、ちょっとした理由がありました。

JR最後の昼間急行「つやま」で行く小旅行(朝日新聞)

1997年、利用者減などからJR岡山支社が市側に急行「砂丘」の廃止を打診すると、商工会を中心に反対運動が盛り上がる。津山市など沿線の自治体、経済団体などは「津山地域JR急行砂丘号廃止反対協議会」を発足。「路線のさらなる縮小、地域のイメージダウンは避けられない」などと訴えた。

朝日新聞の記事によると、急行存続の理由は「メンツ」。利便性よりも、急行列車が走っているイメージの方が大事だったのです。この記事を読んだ後、旅行のついでを利用して急行「つやま」に乗りに行ったことがあります。事実上、快速列車と変わらないため、うっかり乗ってしまった乗客から車掌さんが急行料金を徴収するのが印象的でした。

その後、「つやま」は2009年春のダイヤ改正で快速列車に置き換わりました。その時は、さすがに地元の反対もなかったのか。

たった、1本になってしまう「有明」をこの「つやま」と重ねてしまいました。もはや特急列車が残ることにほとんど意味はないと思われるのですがJRも、伝統ある「有明」の名前をいきなり消滅させることには遠慮したのでしょうか。

今回乗ったのは下りの有明。廃止までにもう少し期間があるので、機会があれば早朝に長洲駅を発車する上り列車にも乗りたいと思っています。上り列車は通勤客でいっぱいなのかもしれません。

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長洲発の上り列車に乗ってみた

後日、福岡に行く用事ができたので、早朝長洲駅を発車する上り列車(有明4号)に乗ってみました。

7時過ぎの長洲駅のホームに停車する有明の姿です。乗客の姿はほとんどなく、冬の寒さが余計にしみます。

長洲駅に停車する有明

長洲駅から乗車したのは、自分を入れても2、3人でした。そのうちの1人は鉄道ファンらしく、一眼レフのレンズを抱えながら有明の写真を撮影していました。大牟田駅を過ぎると、乗客は13人になりましたが、終点の博多まで途中駅から大量の乗客が乗ってくることはありませんでした。

停車駅を過ぎるたびに車掌さんが検札のために車内を行ったり来たりしているのが印象深かったです。おそらく、特急券が必要だと知らずに乗車券だけで乗ってくるお客さんがいるのでしょう。3月から有明が1本だけになってしまえば、そういうお客さんがさらに増えるかも。

有明車内

実は今回乗車したのは週末でした。平日の上り列車なら通勤客でいっぱいになっているのかも?

廃止が近づくなか、平日の上り有明に長洲駅から乗ってみると…

前回、乗ったのが休日だったので、廃止が近づくにつれて、平日の長洲駅の様子を見てみたくなりました。もしかして、通勤目的の利用者が多いのではないかと。

始発の普通で平日の6時すぎに長洲駅に降り立つと、まだ駅員もおらず、人気もありません。「もしや、降りた駅を間違えたのでは」と、一抹の不安がよぎりました。

しばらくすると、有明2号が入線してきました。

有明入線

しかし、発車時刻が近づいてきても、依然としてホームはがらんとしています。3月とはいえ、早朝の寒さが余計にしみます。

寂しい長洲駅2

発車直前に上りの普通列車が入線してきました。普通列車から特急に乗り換えたのは1人でした。

普通列車入線

お約束の寂しい車内の様子

寂しい車内

グリーン車も連結していて、ほぼフルフラットにリクライニングできるDX(デラックス)グリーン席もあります。使用頻度は低かったのだろうろ推測されますが。

有明全盛のころは、熊本~博多間のグリーン車用2枚きっぷがお得で、混雑している時や、疲れた時にはグリーン車を手軽に使用できました。客室乗務員さんによる、ドリンクサービスもありました。

グリーン車案内

グリーン車

一般グリーン席

デラックスグリーン車

デラックスグリーン席

結局、長洲駅から乗ったのは自分を入れて4人でした。大牟田駅を過ぎたところで、車内を巡回すると乗客は32人になっていました。スーツ姿のサラリーマンも多く、予想どおり博多方面へ通勤する人たちがいたようです。大牟田から博多までの区間が存続するのはそういうことなのでしょう。

残念ながら最終便にはのれず…最後の有明2号を見送り

17日のダイヤ改正前の、16日の最終便となる有明5号に乗ってみたかったのですが、深夜の1時半ごろに長洲駅で降りても大変なので、結局乗れずじまいでした。その代り、最終便の1日前の有明5号が15日の夜にゼロ番ホームで夜を明かし、翌朝16日早朝に有明2号となるために熊本駅から長洲駅に向けて回送されていくところを見に行ってきました。

一度0番ホームを出た後…

その後、高架の4番線に入線。いったん停車した後、長洲駅に向けて発車していきました。どのみち熊本駅で夜を明かして翌朝折り返すのなら、「熊本~長洲間も回送にせずに営業運転すればよかったのに」と思うのですが、そうすると不都合があったのでしょうか。


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