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鹿児島本線の大牟田駅と博多駅の間を走る特急有明が2021年3月のダイヤ改正で姿を消します。
1967年に準急列車から格上げされて運転開始した有明は、全盛期には九州を代表する特急列車でした。門司港から鹿児島中央(旧西鹿児島)の区間を運転し、一時期は豊肥線の肥後大津まで乗り入れたこともありました。
現在は平日の早朝に大牟田駅から博多駅に向かう片道1本だけの運行となってしまいました。いずれは廃止されるのではないかと思っていましたが、ついにその時が来てしまいました。
最後の有明にお別れ
最終日の大牟田駅には、有明との別れを惜しむ鉄道ファンが集まっていました。
この行き先表示を見られるのも今日が最後です。集まった道ファンがシャッターを切っていました。
最終日の自由席は、満席とまではいかないものの、ほとんどの座席が埋まっていました。
いよいよ博多駅に到着です。本当の最後になりました。
博多駅到着前の、自動アナウンスで「またのご利用をお待ちしております」と流れたのがかえって寂しさを誘います。車掌さんの最後のアナウンスで、一言何か言うかもと期待していましたが、いつも通りのアナウンスでした。
博多駅が粋な計らいを! 回送となった有明の行き先表示案内に「本日をもって、特急『有明』は、特急列車として54年の歴史に幕を下ろします。長い間のご愛顧ありがとうございました。そして、ありがとう『有明』!」の表示が。
2月にも乗っています
2月下旬の平日、有明との別れを惜しむため、早起きして大牟田駅から博多駅まで乗車してきました。
早朝の大牟田駅に有明が到着しました。
最後ということで、奮発してグリーン車に乗りました。
普通指定席がないためか、グリーン車は鉄道ファンとみられる人たちでほぼ満席でした。
一方自由席は、本来の利用者とみられるスーツ姿のサラリーマンがポツポツと座っていました。こちらが本来の利用者だと思われます。
特急有明の需要とは何だったのでしょうか。車窓を眺めながら色々と考えてみました。
お金を気にしなくてよければ、久留米から新幹線に乗れます。鳥栖からは、長崎方面から博多へ向かう特急もあります。
福岡市中心部が近い辺りになると列車の本数も多いし、快速列車にのれば、わざわざ特急料金を支払うほどの時間差もなくなります。したがって、有明は久留米以南からの利用者を想定しているはずです。
また大牟田駅からは、特急料金が不要の西鉄が天神まで走っています。新大牟田から新幹線に乗るという選択肢もあります。
それでは現在の有明を利用しているのはどんな人? 大牟田駅や瀬高駅あたりから博多方面への通勤利用者で、さらに特急料金を支払ってでも、ゆっくりと座席に座りたいという、かなりニッチな需要しかなくなっていたのではないでしょうか。
廃止前の今、平日の早朝、しかも片道1本の運行という最低限の形として残っていたのは、100%合理的な判断だけではなかったのかもしれません。JR九州も、伝統の有明を完全に無くしてしまうことに、ためらいがあったのかもと妄想してしまいます。
有明が、新幹線開通前にはしょっちゅう利用していた頃のことを思い出しながら、センチメンタルな気持ちに浸りました。
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