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私有地を通るのでガイドの同行が必須
南阿蘇外輪山の岩山の空洞に、何万年もの間はさまっていた巨大な石「免の石」が2016年の熊本地震の本震で落下しました。「落ちそうで落ちない」姿に、受験や就職の合格を祈願する人や、パワースポットを巡る人たちに人気の場所でした。
石が落ちた当初は、地元の人たちも大変がっかりしたそうですが、免の石が落ちたあとの空洞が、まるで阿蘇五岳の根子岳を眺める猫のシルエットのように見えることが分かりました。現在は「招き猫の空洞」として引き続き観光スポットとして売り出しています。
また、落ちてしまった免の石も「落ちないよう、自分が身代わりになって落ちた」ということで、ご利益をアピールしています。
ただ、免の石がある場所にたどり着くためには、途中で私有地を通過しなければなりません。3日前までに「みなみあそ村観光協会」(0967-67-2222)まで申し込みが必要です。
それなりの装備と心構えが必要
免の石を訪れるには2つのトレッキングコースがあります。出発時間は10時発と13時発のどちらかです。
A 免の石往復コース・約1.5キロ(所要時間は約2時間)
料金は2000円(小学生1000円)
B 免の石周回コース・約3キロ(免の石・巨木・風穴等、所要時間は約4時間)
料金は3000円(小学生1500円)
※ツアー催行は2人から、1人でも2人分の料金です。料金にはガイド料と保険料が含まれています。(案内には無料の入浴券が付いていると書いてあるのですが、今回はありあませんでした)
今回もまた「くまきゅー」の中野編集長をお誘いしました。最近恒例になっているおっさん2人旅です。
観光協会のホームページに書いてある、装備や覚悟についての諸注意は以下の通りです。軽装すぎる格好で参加したり、なめてかからないようにしましょう。
1.ルートは未整備箇所が大半であり、足・腰や体力に自信のない方の登山はご遠慮ください。
2.長ズボン・長袖・帽子でご参加ください。
3.登山靴等の足元がしっかりするシューズで参加ください。
4.手袋(軍手)・タオル・着替え・飲料水等登山に必要と思われる携帯品の準備をお勧めします。
5.雨天気象状況によっては案内することができませんのでご了承ください。
6.案内人1人に対し、原則10人までの案内とします。
みなみあそ村観光協会で待ち合わせ
事前に電話で申し込むと、出発時間の15分前に「みなみあそ村観光協会」の事務所に来るように言われました。熱中症のニュースが毎日のように流れるなか、恐る恐る約2時間の免の石往復コースを申し込みました。
待ち合わせ場所の観光協会事務所に迎えに来てくれたのは、約10年前のトレッキングコース立ち上げの時からガイドを務めているというベテランの柏田さんでした。受け付けで参加費を払ったら出発です。
山への入り口までは柏田さんの車の後をついていきます。柏田さんは熊本市内にお住まいですが、登山ガイドをしながら南阿蘇村でタコス料理店も経営されていて、行ったり来たりの生活を送っているそうです。うらやましい!
車を停めた後、ふだんは閉じられている鉄の扉をオープン。本当はここから歩いて出発するのですが、今回は柏田さんが、車で行けるところまで乗せていってくれました。「これで片道15分は時間を短縮できる」と柏田さん。
山道への入り口に到着しました。ここからは歩いて進みます。
小川の谷間を上流に向かって歩く
いざ、森の中へ足を踏み入れます。
15分ほど谷沿いの山道を登って行くと、「安全ルート」と「ヤングコース」に分岐しています。少し進むと再度合流します。自信がない人は安全コースを選びます。
ヤングコースはロープにつかまって岩場を歩いたりするため、若干体力を使います。おっさん2人は決して「ヤング」ではないのですが、有無を言わさずヤングコースに案内されました。
実は後で聞いたのですが、ガイドの柏田さんは元自衛官。レンジャー部隊に所属したこともあり、北海道で訓練していたとか。どうりで動きテキパキしているはずです。
ヤングコースと格闘するくまきゅーの中野編集長。柏田さんがまるで指導教官のようです。
転げ落ちた免の石
さらに10分ほど進むと、地震で落下した免の石が見えてきました。約50メートルの斜面を転げ落ちている状態です。
木と岩にひっかかっているのが分かります。
何万年も触ることができなかった免の石に、直接手で触れます。
身代わりに落ちてくれる「免の石」のご利益の説明が。
現在、免の石がある場所から斜面を見上げた風景。この斜面を転げ落ちてきたそうです。
免の石があった場所に接近
さらに10分ほど斜面を登って行くと、免の石が引っかかっていた岩場が近づいてきます。
ゴールは目前。この階段を登りきったところが、免の石が引っかかっていた洞窟です。
いよいよ目的地に到着。柏田さんがさっそうと先に進んでいきます。
中に入ります。岩に囲まれた狭い洞窟のようになっています。洞窟といっても、奥行きは数メートルしかない感じでした。
洞窟内部の柏田さん。なんと78歳だそうです。どんどん先を進んで行く、強靭な足腰に驚きました。柏田さんは、随所で我々と記念写真を撮影されていました。案内したお客さんをアルバムに収めているそうです。
免の石が猫の首の鈴にあったと説明する案内板。
振り返れば猫がいる
そして、後ろを振り返ると…目的の猫のシルエットが見えました!猫にちなんだ伝説がある根子岳の近くに、こういうスポットがあることに不思議なものを感じます。
左に寄ってみると。
右に寄ってみると。
角度を変えて猫のシルエットができる様子を撮影しました。
展望台に立ち寄る
帰り道、少し寄り道をして小さな展望台に立ち寄りました。南阿蘇一帯の美しい眺めが広がっています。
阿蘇五岳が遠くに見えています。
山を下り、「鳥の小塚公園」へ
トレッキングのスタート地点には鳥居があり、塚の上が展望所になっています。
展望所に登って見下ろすとを阿蘇山が見渡せます。
振り返って山を望むと、先程訪れた、免の石が引っかかっていた岩場が見えています。
プラスチックのパネルに描かれた稜線を実際の風景に合わせて覗くと、免の石の位置が分かるようになっています。
キャプテンのお店へ
トレッキング終了後、ガイドの柏田が経営するお店でランチを食べることに。
柏田さんは、50代で退職して第二の人生を民間会社で送った後、66歳の時に「キャプテンハウス」をオープン。ガイドの仕事をしながらタコス料理を出しています。タコスの作り方は沖縄勤務時代にマスターしたそうです。
外観もなかなか渋いつくり。
店内も落ち着いた内装です。
できたてのタコスがとても美味しかったです。山登りでカロリーを消費していたせいか、ペロリと2個食べられました。
まとめ
今回は、真夏ということもあって距離が短い往復コースにチャレンジしました。熱中症を恐れてかなり警戒していたのですが、実際は森の中なので日陰が多く、思っていたほどの暑さではありませんでした。それでも汗びっしょりになりました。飲み水などの携行も忘れないようにしましょう。
また、下山した後のために着替えも用意しておいて、近くの温泉にでスッキリ汗を流すのも良いと思います。
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