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現在放映中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』をご覧になっていますか?怪談文学で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の人生を描いたこのドラマは、多くの視聴者に感動を与えています。
八雲の生涯の中でも、特に充実していたとされるのが熊本で過ごした3年間です。彼はこの地で教師として働き、家族との穏やかな日々を送りました。そして実は、熊本市内には当時の暮らしを偲ぶことができる旧居が今も大切に保存されているのです。
ドラマで八雲の世界に触れた方々に、ぜひ訪れていただきたいこの場所。今回は小泉八雲旧居の魅力を余すところなくご紹介します。
※この記事では、ハーンではなく八雲として表記します。
小泉八雲と熊本の関係
小泉八雲が熊本に赴任したのは1891年(明治24年)11月のことでした。島根県松江での1年余りの中学教師生活を経て、創立間もない熊本市(当時:熊本区)にある第五高等中学校(現在の熊本大学)の英語教師として招かれたのです。
当時の熊本は、西南戦争の傷跡から復興を遂げつつある時期でした。八雲は1894年(明治27年)10月まで約3年間この地に滞在し、教育者として、また作家としての礎を築きました。
熊本での日々は八雲の創作活動に大きな影響を与えました。九州特有の温暖な気候、豊かな自然、そして地域に根付く伝説や怪談話。これらすべてが彼の感性を刺激し、後の作品世界を形作る重要な要素となったのです。
小泉八雲 熊本旧居について

小泉八雲旧居は熊本市中央区安政町、熊本郷土のデパート「鶴屋百貨店」裏の通り沿いにあります。熊本市の中心街にあるため、周囲は人や車が多く行き交うエリアです。
元々は熊本市手取本町34番地にありましたが、昭和30年に取り壊しの危機が訪れ、小泉八雲熊本旧居保存会が結成され、現在地に移転されました。

建物は通り沿いにあるのでわかりやすいですが、案内板も掲示されているので、これを目印にするのもいいでしょう。

建物前にも旧居についての説明があります。
入館料は一般200円、小中学生100円となっています。

入り口に券売機がありますので、こちらで入館料を支払います。クレジットカードやバーコード決済にも対応しています。
専用の駐車場はありませんので、車でお越しの際は近隣のコインパーキングをご利用ください。
基本情報
| 名称 | 小泉八雲熊本旧居 |
| 住所 | 熊本市中央区安政町2-6 |
| 電話番号 | 096-354-7842 |
| 営業時間 | 9時30分~16時30分 |
| 休館日 | 月曜(祝日の場合は翌火曜),年末年始(12月29日~1月3日) |
| 入館料 | 大人・高校生 200円 小・中学生 100円 未就学児 無料 (熊本市内の小・中学生は無料、また65歳以上の方も無料) |
| 参考サイト | https://kumamoto-guide.jp/spots/detail/62(熊本市観光ガイド) |
マップ
小泉八雲 熊本旧居見学レポート

旧居に足を踏み入れると、まず目に入るのは明治時代の趣を残す木造家屋の佇まいです。質素ながらも品格を感じさせる建物は、八雲の人となりを物語っているかのようです。

この旧居の変遷についての紹介ボードがあります。3回も大改築が行われていたようです。

居間には掛け軸などもあり、まさに日本の木造家屋の雰囲気を残しています。

窓からは庭も見えます。小さいながらも丁寧に手入れされた庭は、四季折々の表情を見せてくれます。八雲はこの庭を眺めながら、日本の自然美や精神性について思索を深めたのでしょう。

さらに奥に進むと、書斎があります。

八雲が執筆に励んだ書斎は、落ち着いた雰囲気に包まれています。窓からは庭の緑が見え、静寂の中で創作活動に没頭する八雲の姿が目に浮かぶようです。机や椅子、書棚などが当時を偲ばせる配置で展示されています。
説明文によると、八雲は執筆の時だけは椅子に座っていましたが、疲れると書斎の中央に置いてあった座布団の上に座って煙草をくゆらせていたそうです。

また、八雲がこの家を借りた際に、家主の赤星氏に依頼して作ってもらった神棚もあります。八雲は毎朝柏手を打って拝んでいたそうです。
館内には、小泉八雲に関する写真や手紙などの貴重な資料も展示されています。順に小泉八雲の生涯が順を追って説明されています。

入ってすぐのところにあるハーンの足跡と生涯についての説明ボード。ドラマでも描かれていたアメリカ時代についても記載があります。

さらに奥の部屋には、第五高等中学校(現在の熊本大学)で英語教師をしていたときの八雲を紹介するボードがあります。

建物の入り口には、八雲が五高で作成した当時のテスト問題も展示されています。見てみるとかなり細かい字で書かれています。

さらに、八雲が残した作品を紹介するボードもあります。熊本を舞台とした作品も数多くあるのがわかります。

入り口付近には、八雲が残した作品の展示もあります。

作品紹介ボードの横には、八雲とセツの肖像写真が展示されています。

そして、その下には八雲とセツがやりとりしていた手紙が展示されています。
八雲は熊本在住の後、神戸を経て東京帝国大学に赴任するなど職場を移すことになります。その際に、家族と物理的に離れることもあり、こういった手紙のやりとりもあったようです。
手紙の文章を見ると、ドラマ中でも聞かれる「ヘブンさん言葉」で書かれているのがわかります。

さらに、八雲が執筆の際に使っていたペン先なども展示してあります。

八雲の一日を紹介するボードもありました。その当時の生活がよくわかり、読んでいて楽しいです。
見学時間は30分ほどでした。
見学していて、小泉八雲とセツが生活していた当時が思い出されるようでした。
以上、小泉八雲旧居見学レポートでした!
熊本での八雲の日常生活
第五高等中学校での教師生活
八雲は第五高等中学校(現在の熊本大学)で英文学を教えていました。彼の授業は単なる語学教育にとどまらず、西洋文学の本質や美しさを伝える情熱的なものだったと伝えられています。学生たちは八雲の深い教養と独特の教授法に魅了されました。
現在の熊本大学キャンパスには、八雲が教鞭を執った当時を偲ぶ記念碑や資料が残されており、こちらも訪問する価値があります。

熊本大学キャンパスにある「五高記念館」。昔の姿を現代にも残しています。館内にもその当時の教室などが残されています。
基本情報
| 名称 | 熊本大学五校記念館 |
| 住所 | 熊本市中央区黒髪2丁目40-1 |
| 電話番号 | 096-342-2050 |
| 営業時間 | 午前10時~午後4時(入館は午後3時30分迄) |
| 休館日 | 毎週火曜日、年末年始、その他(公式サイトを確認) |
| 入館料 | 無料 |
| 公式サイト | https://www.goko.kumamoto-u.ac.jp/ |
マップ
小泉八雲旧居跡(第二の家)
八雲は、先ほど見学した安政町にある旧居に1年ほど住んでいました。その後、熊本市の坪井という地区に引っ越しています。

第二の家は熊本市中央区にある坪井一丁目公園の近くにあります。

周辺は「八雲通り」として名前が残っており、公園の前の通りもそのように呼ばれています。

第二の家は現存しておらず、家があった場所には今は朝日生命の社宅が建っています。

建物の前には石碑が建てられています。写真ではちょっと読みづらいので、書かれている内容を以下に記します。
小泉八雲旧居跡(第二の家)
明治二十四年十一月十九日に五高教師として着任。手取本町の赤星氏の家(現八雲記念館)を借り、節子夫人とともに落着いたが、一年でこの地に移った。
ここで長男が生まれるし、大変気に入ったようであった。
明治二十七年十一月熊本を去るまで、ここで「知られぬ日本の面影」の原稿執筆や校正等で多忙な日々を送ったという。昭和五十七年五月吉日
熊本市
朝日生命保険相互会社
この内容を読むと、八雲はこの家も大変気に入っていたようですね。
こちらの建物は現存していませんが、八雲とセツが生活していた時に思いをはせる場所です。
機会があれば、こちらにも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
基本情報
| 名称 | 小泉八雲旧居跡(第二の家) |
| 住所 | 熊本市中央区坪井1丁目9-8 |
| 参考サイト | https://kumamoto-guide.jp/spots/detail/392(熊本市観光ガイド) |
マップ
長男(一雄)の誕生
熊本時代の1893年(明治26年)11月、長男・一雄が誕生しました。父親となった喜びは八雲の人生に新たな彩りを添え、家族への愛情が彼の作品にもより深い人間性をもたらしました。
八雲が熊本で執筆した作品
熊本時代の八雲は、創作活動においても実り多い時期を過ごしました。
代表作『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan)は、松江と熊本での体験をもとに執筆されました。この作品には、西洋人の目から見た明治期日本の姿が繊細かつ詩的に描かれており、今なお世界中で読み継がれています。
また、熊本に伝わる伝説や怪談話にも深い関心を寄せました。地域の人々から聞いた話は彼の心に強く残り、後の怪談文学の源泉となっていきました。
熊本では、以下の作品が執筆されました。
- 『東の国から』(Out of the East)
- 『心』(Kokoro)
- 『日本雑記』
これらの中には、五高生との交流や授業のやり取りを描いた作品『九州の学生とともに』や五高裏手にある小峰墓地で巡らせた思いを綴った作品『石仏』などが収録されています。
ドラマ『ばけばけ』でも描かれているように、八雲の怪談への情熱は、日本各地で出会った不思議な物語への純粋な興味から生まれたものでした。熊本での経験は、その情熱をさらに深める重要な時期だったのです。
旧居を訪れて感じたこと
小泉八雲旧居を訪れると、明治時代の文化人がどのような暮らしをしていたのか、その一端を垣間見ることができます。決して豪華ではないものの、知的で洗練された生活空間には、八雲の人柄や価値観が色濃く反映されています。
特に印象的なのは、異国から来た八雲が日本の文化を深く理解し、尊重しようとした姿勢です。和洋折衷の住まいは、二つの文化の架け橋となろうとした彼の生き方そのものを象徴しているように感じられます。
ドラマ『ばけばけ』を見た後にこの場所を訪れると、物語の中の八雲がより立体的に、より身近な存在として感じられるはずです。彼が実際に暮らし、愛し、創作した空間に身を置くことで、作品の背景にある八雲の人生がより深く理解できるでしょう。
訪問のポイント・おすすめ情報
所要時間
じっくり見学して30分〜1時間程度。展示資料をゆっくり読むなら1時間半ほど見ておくとよいでしょう。
写真撮影
館内での写真撮影は可能ですが、フラッシュの使用は禁止されています。事前に確認することをおすすめします。
ガイド・解説
スタッフによる説明を受けられることがあります。訪問前に問い合わせておくと、より深い理解が得られます。
周辺のランチスポット
旧居周辺には熊本ラーメンの名店や郷土料理を楽しめる飲食店が点在しています。辛子蓮根や馬刺しなど、熊本グルメも合わせて楽しみましょう。
お土産
周辺の書店では、小泉八雲の著作や関連書籍を購入できます。熊本限定の八雲グッズもチェックしてみてください。
まとめ
『ばけばけ』を通じて小泉八雲の世界に触れた皆さん、ドラマの感動をさらに深める旅に出かけてみませんか。
熊本は八雲が「第二の故郷」と呼んだ土地。彼がこの地で過ごした3年間は、作家としても人間としても大きく成長した充実の時期でした。旧居を訪れることで、画面の中の物語が現実の空間と結びつき、八雲の人生がより身近なものとして感じられるはずです。
歴史ある建物、八雲の息吹を感じる展示品、そして熊本の豊かな自然と文化。すべてが揃った小泉八雲 熊本旧居は、文学ファンはもちろん、歴史や建築に興味がある方にもおすすめのスポットです。
ぜひ熊本を訪れて、小泉八雲が愛した風景を、その目で確かめてみてください。きっと忘れられない体験となることでしょう。
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