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熊本市民のオアシスである江津湖。上江津湖と下江津湖からなる全長2.5km、周囲6kmの湖です。
熊本市民であれば誰もが知っている江津湖ですが、この周辺に「江津遊園地前」というバス停があるのをご存じですか?
でもこのバス停、名称に「遊園地前」とあるものの、周囲には遊園地らしきものがないんです。謎ですよね。
遊園地はないのになぜこのような名称のバス停があるのか。
疑問に思い、調査してみることにしました。
その結果、わかったこととは?
江津遊園地前バス停はどこにある?
今回調査対象となる「江津遊園地前」バス停はどこにあるのでしょうか。
バス停がある場所の住所は熊本市東区江津1丁目。上江津湖近くの場所にあります。
バス停は2箇所あり、103号線沿いと江津塘沿いにあります。
江津遊園地前バス停周辺には遊園地はない?!
冒頭にも書きましたが、このバス停「遊園地前」とあるのに、周囲には遊園地らしきものがないんです。
実際にバス停の周りを見てみましょう。
103号線沿いのバス停周辺の風景
江津塘沿いのバス停周辺の風景
周囲は住宅街だったり、木々が生い茂っていることが分かるでしょう。
今でいう「遊園地」らしきものは全く見当たりません。
ではなぜ「遊園地前」という名称がついているのか?
ここから調査が始まります。
まずは熊本県立図書館のリファレンスサービスに問い合わせてみた!
まずネットで調べてみましたが、正確な情報は得られず。(ネットでわかっていたら、調査はここで終了してますからね(笑))
ただ、ネット以外でどこから調べていいのかわかりません。
そこで、まずは熊本県立図書館のリファレンスサービスを利用してみることにしました。
リファレンスサービスとは、調べたい内容を図書館員さんにお伝えすると、調査・研究に必要な資料や情報を紹介していただいたり、資料の探し方などのアドバイスをいただけたりするサービスです。
熊本県立図書館のリファレンスサービスは、サイトの申込画面から必要事項を入力することで利用できます。
ということで、「江津遊園地前」バス停の名称について、調査したい内容を記入して問い合わせてみました。
すると4日後にメールで回答が。
結果は、「このバス停の名称の由来に関する資料は見つからなかった」とのこと。
ただ、そこには今回調査した資料や関連文書などが記載されていました。
その中には、熊本市に関連する資料も。
ということで、その資料を調べるべく、こちらに行ってみました。
熊本市の施設「歴史文書資料室」へ
次に向かったのは、熊本市中央区花畑町にある 歴史文書資料室。熊本市の施設です。
こちらには、新熊本市史編纂事業に伴って収集した歴史資料や書籍などが所蔵されています。
先ほどのリファレンスサービスの回答にあった資料を調べるべくやってきました。
職員さんに調査したい内容をお伝えすると、関連しそうな資料を提供していただきました。
そして、リファレンスサービスの回答にあった資料も見つけることができました。
しかし、ここでも正確な情報は得られず。
ただ、『新熊本市史』のなかに「こどもの遊園地」という気になるキーワードを発見。
また、『熊本市営バス88年史』に掲載されていた昭和30年のバス路線図のなかに「遊園地前」というバス停があったことも発見できました。
このことから、昭和30年にはバス停周辺に遊園地らしきものがあったのではないかということが推測されました。
「こどもの遊園地」について調査!
昭和30年にはバス停周辺に遊園地らしきものがあったのではないかということで、本当にこの周辺に遊園地があったのか調べるべく次に向かったのは 熊本市立図書館。
市立図書館には、熊本市の昔のゼンリン地図が所蔵されています。
昔の地図を見れば遊園地が本当にあったのかわかるのではないかということで、市立図書館にやってきたわけです。
図書館の職員さんに昭和30年代の地図を提供していただき、調査開始。
バス停近辺の地図もありました。
しかし、遊園地らしきものは見当たらず。
「こどもの遊園地」というキーワードは見つかったものの、結局、これがどんなスポットだったのかはわからずじまいになってしまいました。
もやもやした気持ちを晴らすため、ネットで調べてみると……
「こどもの遊園地」が何かわからず、もやもやした気持ちで帰宅。
もやもやした気持ちを晴らしたいということで、このキーワードをネットで調べてみることにしました。
すると、こんな記事を発見!
記事の中身を読み進めていくと「こども遊園地」というキーワードが。さらに読んでいくと、昭和30年代にバス停近辺に江津湖の湧き水をせき止めた「プール」があったことが判明。
しかも、そのブールは現在もゾウさんのすべり台がある「ゾウさんプール」として存在しているとのこと。
ということで、実際に現地に向かってみました!
上江津湖に到着し、近くを散策。
湧水なので水がとてもきれいです。
周辺をぶらぶらと散策していると、遠目に何やら白い物体を発見!
さらに近づいてみると……
なにやらゾウさんらしきオブジェが。
さらに近づいてみると……
いました、ゾウさんが!ため池の中にポツンとたたずむゾウさん。
別角度から見ると、確かにすべり台のようになっています。
近くには「ゾウさんプール」の案内板もありました。
確かにゾウさんプールは存在してたんですね。
しかし、ここが本当に「こどもの遊園地」として使われていた場所なのか、バス停との位置関係を見てみましょう。
江津湖周辺MAPがあったので、これで確認してみます。
マップで見ると、確かに「江津遊園地前」バス停と「ゾウさんプール」が近くにあることがわかります。
ということで、ゾウさんプール周辺がかつての「こどもの遊園地」とされていたことはほぼ確実でしょう。
今でいう遊園地とはほど遠いが……
今あるゾウさんプール周辺がかつての「こどもの遊園地」とされていたことはほぼ確実になったんですが、今のようなアトラクションがある遊園地とはほど遠い印象。
では、なぜ「遊園地」とされているのでしょうか。
ここで、気になるネット記事を発見!
熊本県の地方新聞「熊本日日新聞」に掲載されていた記事です。
この記事を読むと、現在、公園とされている場所のなかには、かつて児童福祉法に基づき「児童遊園」として整備されていたところがあるそうです。
今のようなアトラクションはなくとも、「子供の遊び場」ということで「児童遊園」という名前がつけられていたのでしょう。
今回調査した「こどもの遊園地」がこの児童福祉法に基づく「児童遊園」に該当するのかは定かではありませんでしたが、同じような意味で名前を付けられていたものと推測されます。
まとめ 〜 「江津遊園地前」バス停の名称はかつての「こどもの遊園地」が関係していた!
この記事では、「江津遊園地前」バス停の名称の謎について調査してきました。
その結果、今はゾウさんプールとして存在する、かつての「こどもの遊園地」が関係していることがわかりました。
今はプールという感じではなく、ゾウさんのすべり台がある「ため池」といった感じですが、昭和30年代はたくさんの子供が遊ぶ場所だったんでしょうね。
そんな昭和の時代に思いをはせながら、今回の調査を締めくくりたいと思います。
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